破産にかかる費用について

2020/5/8

今回は破産にかかる費用についてお話いたします。

1 破産手続ってなに?

 

破産手続きとは、破産した債務者の財産を金銭化し、それを債権者に分配するという手続きのことです。(なお、金銭化できる財産が無いことが明らかな場合などには、破産手続の開始と同時に破産手続が廃止により終了となることもあります。)

 

少し言い方を変えると、借金の返済ができなくなってしまった場合に、持っているすべての財産を債権者に分配し、それ以上の債務については裁判所を通じて支払いの義務をなくしてもらう(「免責」といいます。)、というものです。

 

これだけ聞くとすべての借金がなくなるハッピーな手続に見えるかもしれませんが、メリットやデメリットがもちろんあります(こちらの記事にまとめておりますので、よろしければ合わせてお読みください。)。そして、借金で首が回らないと言っても、タダで行うことはできません。今回は、手続きを行う際に実際にかかる費用についてご説明いたします。

 

2 申立のみにかかる費用はこの3つ

(1)申立手数料(約1,500円)

裁判所に申立をする際に、収入印紙にて納める手数料です。

 

(2)予納郵券代(約3,000~20,000円ほど)

※郵券=切手のこと

裁判所から各債権者に破産手続を開始することを通知する際等に使用する郵便切手を事前に納めます。

金額に幅がありますが、納める郵券は各裁判所によって異なるため、事前に申立先の裁判所に確認する必要があります。 また、「84円切手×債権者数」、というように、債権者の数によって変動する場合が多く、債権者数が多ければ多いほどその金額は高額となります。

 

(3)予納金(約1万~50万円ほど)

破産に伴う様々な費用を賄うために、申立後に裁判所に納めるお金ですが、こちらもだいぶ幅がある書き方になってしまいました。

破産は大きく3つの手続(①同時廃止事件②管財事件【弁護士に依頼する場合】③管財事件【破産者本人が申立てる場合】に分けられます。各手続により、裁判所に納める予納金に大きく差があります。

 

①同時廃止事件(約1万~2万円)

この手続きであれば、予納金はほとんどかかりません。

貯蓄や不動産などの財産がない人が破産する場合に採られる手続で、かかるのは官報広告費用(大阪地裁であれば約12,000円ほど)くらいです。

3つの中で、一番費用を抑えられる手続となります。

 

②管財事件【弁護士に依頼する場合】(最低約23万円~)

債権者に完済はできないものの、財産がある方や、事業をしている方が申立てを弁護士に依頼した場合の手続です。

予納金としてかかるのは官報公告費用(約16,000円)+管財人への報酬(最低20万5,000円(郵券代替分含む)※大阪地裁の場合)です。

なお、この手続きを採っていても、なんらかの事情で予納金が追加で必要になる場合もあります。

 

③管財事件【破産者本人が申立てる場合】(最低50万円~)

上記手続きを弁護士に依頼せず、ご自身で申立てる場合はこの手続きとなります。

破産管財人が財産を調査して債権者に分配する必要があるため、管財人への報酬が最低でも50万円ほどかかるのが一般的です。(もちろん、財産の状況によってはさらに多くの予納金を求められる場合もあります。)

 

また、債権者数が200人以上いる場合は法人の破産については100万円、代表者については50万円以上の予納金が必要となるなど、弁護士を立てずに破産をしようと思うと、多額の費用が掛かります。

 

 

破産がどの手続に当てはまるのかは、財産状況、勤労状況や生活状況により判断されます。裁判所に同時廃止事件として申し立てたあとに、管財事件と判断されると、裁判所から追加で50万円を納めるように言い渡される場合もあり得ます。

 

3 さいごに

破産を検討される際は、一度弊所にてご相談ください。破産関係でしたら相談料はいただいておりません。状況を詳しくお聞きし、破産以外の方法はないのか、仮に破産するのであればどの破産手続になるかを検討、アドバイスいたします。

メール、LINE、電話で相談予約のお問い合わせが可能です。よろしくお願い申し上げます。

 

 

ご拝読いただきありがとうございました。