Project Mind

プロジェクトマインドとは

弊所の弁護士がどのようなマインド(意識、考え)で事案に取り組んだかを連載しています。

背景

突然、妻が子供達を連れて自宅を出て以来、子ども達に全く会えなくなった父親からの依頼でした。
子供達との連絡を一切断たれ打ちひしがれた依頼者のため、調停や離婚訴訟を通して交渉を繰り返し、面会交流を実現しました。

解決に際し気をつけたこと

両親の別居を機に、同居親が一切の面会交流を拒むケースは少なくありません。
拒否をする理由も相手方への嫌がらせ、連れ去りを懸念、相手方との接触を避ける等、様々です。
そのため法律論で攻めるだけでなく、相手方や子供達の気持ちにも配慮しながら、相手方の面会交流への不安感をやわらげることも重要なポイントとなります。
依頼者のケースでは、交渉開始時点では子供達と直接会う事はおろか手紙や写真を送ること等、一切の関わりを拒否されました。
相手方が面会交流を強く拒否する原因を探ったところ、別居の際、夫婦間の争いを子供達が目の当たりにし精神的ショックを受けたことが主な原因でした。
そこで、面会交流の権利を法的に主張するだけでなく、子供達に対して不安にさせたことを謝り、依頼者がいかに子供達を大切に思っているのかを直接手紙で伝える必要があると考え、子供が好むレターセットの選択、文案の検討、子供達でも理解できる文言への修正等、子供達の目線にたって依頼者の気持ちを伝えることに尽力しました。
その結果、当初頑なだった子供達も依頼者との面会に応じてもよいと姿勢を軟化させ、2年ぶりの面会を実現することができました。

面会交流は、子供達の安全が確保されないといった場合を除き、依頼者だけでなく子供達の成長にとっても重要なものとなります。
同じ子供を持つ親として、依頼者の思いを受け止めることはもちろんのこと、面会交流を通して依頼者と子供達の親子関係を継続し、子供達の健やかな成長の一助となれれば、との思いで面会交流事案に取り組んでいます。

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