親権と面会交流の関係は?争いになったときの判断ポイントとは
2025/6/10「親権があれば自由に面会できるの?」「親権を争っているとき、面会交流は有利に働く?」——こうした疑問に対して、法律の考え方と裁判所の判断基準をわかりやすく解説します。
2 裁判所が親権を決めるときの基準
3 フレンドリーペアレントルールとは?
4 裁判例から見る実際の判断
5 まとめ:親権と面会交流を分けて考えることが大切
6 よくある疑問とその回答(FAQ)
1 親権と面会交流の違いとは?
Q: 親権があると面会交流も自由にできる?
A:いいえ。親権と面会交流は別の問題です。
・親権:子供の世話や教育、財産管理を含む法的な権利・義務
・面会交流:別居している親が子供と会う権利。親権がなくても認められます
つまり、親権があっても子供と同居していなければ、面会交流は別途調整が必要です。
2 裁判所が親権を決めるときの基準
Q:裁判所は何を重視して親権者を決めるの?
A:「子の最善の利益」が最重要基準です。
・子供の年齢や性格
・現在の生活環境
・過去の養育状況
・子供の意思(ある程度の年齢以上)
面会交流に対する態度も、親権判断に影響する一要素です。
3 フレンドリーペアレントルールとは?
Q:面会交流に協力しないと親権に不利?
A:一定の影響があります。親権争いでは「フレンドリーペアレントルール」が参考にされることがあります。
・内容:「相手の親との関係維持に協力的な親」を親権者として評価
・面会交流を拒否する姿勢はマイナス材料になる可能性があります
ただし、判断基準はあくまで総合評価であり、面会交流だけで決まるわけではありません。
4 裁判例から見る実際の判断
事例:松戸支部のケース
・父親が年間100日面会交流を提案→親権が認められた
・母親は月1回の交流を主張
控訴審:東京高裁の判断
・面会交流は判断材料の一つにすぎないとした
・子の生活安定や意向を重視し、母親が親権者に指定された
このように、裁判所は「面会交流の協力度」を一要素としつつも、子供の全体的な福祉を優先しています。
5 まとめ:親権と面会交流を分けて考えることが大切
親権と面会交流は別の権利であり、親権者でなくても面会交流は認められます。裁判所は「子供の最善の利益」を第一に考え、面会交流への協力姿勢を含めた多面的な判断を行います。親権争いにおいては、冷静に、そして子供の視点で行動することが大切です。
当事務所では、親権争いや面会交流に関するご相談、調停・審判対応までサポートしています。お気軽にご相談ください。
6 よくある疑問とその回答(FAQ)
Q:親権がないと面会できませんか?
A:いいえ。親権がなくても、面会交流は認められます。
Q:面会交流に協力すれば親権が有利になりますか?
A:協力的な態度は評価されますが、それだけで親権が決まるわけではありません。
Q:面会交流を拒否すると親権争いに不利になりますか?
A:正当な理由なく拒否する場合は、マイナス要素となることがあります。
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