電動キックボード運転時の違反行為

2024/4/22

 

最近街中で電動キックボードを見かけることが多くなってきました。
電動キックボードは最近の法改正によりルールが作り上げられてきたこともあり、まだルールが定着しておらず、危険な方法で運転している方もよく見かけます。
今回は電動キックボードを運転する際違反とされる主な行為について解説します。

1 免許が不要な電動キックボード

令和5年7月の道路交通法改正により、一定の基準を満たす電動キックボードは、特定小型原動機付自転車に分類され、運転免許証がなくても運転できるようになりました。
今回は、主に特定小型原動機付自転車に分類される電動キックボードについての説明になります。
令和5年7月の道路交通法改正の概要は「電動キックボードに関する法改正について」のコラムをご確認ください。

2 電動キックボード運転時の主な違反行為

⑴ 16歳未満の運転の禁止

電動キックボードの運転に免許証は不要になりましたが、16歳未満の者の運転は禁止されています。
また、16歳未満の者に対して、電動キックボードを貸すことも禁止されています。
違反した場合は6月以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。

⑵ 飲酒運転の禁止

他の車両と同様、飲酒運転は禁止されています。
また、飲酒運転をするおそれがある者に電動キックボードを貸したり、お酒類の提供をしたり、飲酒を勧めたりすることも禁止です。
飲酒運転の罰則は重く、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金などとなります。

⑶ 二人乗りの禁止

街中で電動キックボードを二人乗りしている人を見かけますが、二人乗りは禁止されています。
違反した場合は5万円以下の罰金となります。

⑷ スマートフォン等の利用禁止

スマートフォンで通話(ハンズフリーを除きます。)しながら運転したり、画面を見ながら運転することは、画面に集中してしまい周囲の確認を怠り、交通事故発生の原因となるため、禁止されています。
違反した場合は6月以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。

⑸ 右側走行、歩道走行の禁止(例外あり!)

電動キックボードは道路の左側を走行しなければならず、右側走行は禁止されています。
もっとも、自転車道がある場合は、車道の左側に加えて自転車道も通行可能です。
また、歩道を走行することも原則として禁止されています。
もっとも、時速6キロメートルを超える速度を出すことができない設定を備えているなど、特例特定小型原動機付自転車となる要件を満たした電動キックボードについては、「普通自転車等及び歩行者等専用」等の道路標識がある歩道については例外的に走行が認められます。
違反した場合は3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。

⑹ 小回り右折の禁止

電動キックボードで交差点を右折する際は、直接交差点に進入して右折する小回り右折は禁止されており、原付などと同様に二段階右折をしなければいけません。
二段階右折とは、青信号で交差点の向こう側まで直進し、その地点から右に向きを変え、前方の信号が青になってから直進する右折方法のことをいいます。
違反した場合は5万円以下の罰金となります。

⑺ 一方通行の逆走の禁止(例外あり!)

一方通行の標識がある道路を逆走することは禁止されています。もっとも、「自転車を除く」との記載がある場合は例外的に逆走が認められています。
違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。

3 おわりに

今回は電動キックボードを運転する際違反とされる主な行為について解説しました。
電動キックボードは便利である反面、間違った乗り方をしてしまうと刑事処分の対象となるのみならず、交通事故の原因にもなり得ますので、安全な乗り方を理解するようにしましょう。


執筆者:弁護士 森本 禎

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