離婚調停期間はどのくらい?調停を有利に進める方法とは

2024/2/5

夫婦間で離婚について話し合いが出来ない場合や離婚条件で折り合いがつかない等、当事者同士で離婚協議が整わない場合は、離婚をするには家庭裁判所に調停を申し立てることとなります。

実際に離婚調停を申し立ててから離婚成立まで、どの程度時間がかかるのでしょうか。

1 離婚調停の流れと平均時間

⑴調停の基本的な流れ

調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書を提出することでスタートします。しかし、申立書を提出すればすぐに調停で話し合いができるものではありません。
必要書類の提出後、約1か月~2か月ほどで第1回の調停が開催され、その後、話し合いがまとまるまで、約1か月~2か月に1回の間隔で調停が開催されます。

1回の調停の所要時間は長くても2時間ないし3時間程度のため、その場で協議できなければ、翌月に持ち越すこととなります。
そのため、調停は時間がかかりまどろっこしいと感じる方も多いと思います。

一方、当事者同士の話し合い(離婚協議)の場合は、随時交渉を進めることが可能なため、離婚条件がうまく整えば調停と比較して短時間で離婚成立に至ることも期待できます。
一方で、相手方が話し合いを拒否する場合や、譲歩する気がない場合等、協議が平行線をたどる場合は、離婚をするには、離婚調停に移行せざるを得なくなります。

⑵「離婚調停期間」の平均、相場

令和3年司法統計によれば、家事調停(離婚調停、その他調停も含む)の平均審 理期間は7.4か月となり、6か月から1年以内に調停成立(もしくは不成立)となることが多く、2年以上継続するケースは全体の1%程度となります。
また、期日回数の平均回数としては「2~3回」で終了するケースが多いようです(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/59 7/012597.pdf)。
このことから、一般的には多くのケースで6か月から1年以内に離婚調停が成立(又は不成立)となり、数年継続することは稀であるといえます。

⑶最短の場合

当事者間の交渉段階で概ね条件が整っている場合には、初回調停で合意に至るケースもあります。
一方で、全く協議の余地がなく、初回調停で調停不成立となるケースもあります。
このように最短では初回調停で終了することもありますが、それほど多くはありません。

2 離婚調停の期間が長引く原因

離婚調停の期間が長引く原因として、

  • 次の期日まで時間がかかる
  • 一方が離婚自体を拒否している場合
  • 子どもをめぐる紛争がある場合
  • 争点が多い場合

等が挙げられます。

⑴日程調整

調停は平日の昼間に開催されるため、双方の予定あわず、裁判所によっては混み合うことから、日程調整が難航する場合があります。
代理人(弁護士)のみの出席も可能なため、仕事等で多忙な場合は、代理人に依頼した方が調停の日程調整がしやすくなります。

⑵子ども

どちらが親権を取得するのか、養育費や面会交流はどうするのか、子供に関する協議事項は多岐にわたることから、解決まで比較的時間がかかることが多いです。

⑶離婚拒否

調停では、調停委員が離婚か否か判断するのではなく、最終的に当事者の合意により離婚が成立します。
そのため一方当事者が離婚自体を拒否している場合、解決まで時間がかかることが多いです。

⑷経済的理由(財産分与、慰謝料、養育費など)

財産分与や慰謝料、養育費といった経済的条件に関して協議する場合、妥協することができず、調停が長期化するケースが多くあります。
特に財産分与について、紛糾すると、準備すべき資料も多くなり、さらに時間を要することが多くなります。

3 離婚調停の期間を最短で進めるポイント

では、離婚調停をできるだけスムースに進めるために、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

⑴自分の意向を明確にする

離婚をしたいという漠然な気持ちはあるものの、具体的な離婚条件について自身の中で固まっておらず、離婚調停において何を決めていけばよいのか分からない方もいらっしゃるかと思います。
まずは、ご自身の中で、どのような条件で離婚をしたいのか明確にしておくのがよいでしょう。
ご自身の中で考えを整理することで、相手方との対立点を明確にし、どのように協議を進めていけばよいのか把握することが可能となります。

⑵資料は早めに揃える

調停で協議をするにあたり、資料収集に時間を要し、解決まで長期化するケースもあります。
そのため必要となる資料は早い段階から準備しておくのがよいでしょう。
特に財産分与の協議において、預金口座の残高証明書、保険の解約返戻金の有無・金額の問い合わせ、不動産の査定書等、事前に入手可能な資料は集めておいた方がよいでしょう。
なお、財産分与の基準時(いつの時点の財産を分与するのか)が争いとなるケースもあります。資料を集める前に基準時がいつになるのかも要確認です。

また、自身のみならず相手方の財産についても把握している限りで、財産一覧表を作成すれば、その後の協議で、相手方に対する反論の検討もしやすくなります。

⑶主張書面に言い分を明記する

調停では、直接相手方に話すのではなく、調停委員を介して相手方に伝えることとなります。
第三者を介することから、もれなく相手方に伝えられない可能性もあります。
そのため、自身の主張を記載した書面(主張書面)を事前に提出して、相手方及び調停委員に共有しておくことが望ましいです。
なお、主張書面の提出が必要な場面では、調停委員から提出が促されることがあります。その場合は、できるだけ事前に提出した方がよいでしょう。

この主張書面の提出により、調停の場で調整すべき点が明確化され、話し合いを効率的に進めることができることとなります。

⑷譲歩について

調停では自身の主張を伝えることが重要です。
一方で双方が主張だけを行えば、協議が平行線となり、解決に時間がかかることとなります。
そこで、予めどの程度であれば譲ってもよいのか、自身の中で考えを整理しておいた方がよいでしょう。

⑸弁護士に依頼する

弁護士に代理交渉を依頼することで、離婚調停での方針を立てやすくなり、また資料収集等についてもアドバイスを受けることが可能となります。
また双方に代理人が就いている場合は、離婚調停の場以外でも交渉を進めることも多く、離婚協議をスムースに進めることが可能となります。

4 長期化させることでの影響

話し合いが長期化することで、互いに冷静となり、また事情も変化することで、解決に向けた話し合いが可能となるケースがあります。
一方で、調停が長期化することで、かえって当時者間の紛争が激化することもあり、当事者の精神的負担が増す場合もあることから、どのように調停を進めていくかは慎重な判断が必要となります。

5 離婚調停を有利に進めるコツ

離婚調停がどの程度で成立するのかは、実際に調停を行ってみないとわかりません。
とはいえ早期解決を目指した上で、自身に有利な形で調停を進めるためには、事前に十分準備しておくことが望ましいです。

⑴別居をしてから申し立てる

相手方と同居中であっても、離婚調停を申し立てることは可能です。
しかしながら離婚調停で具体的に協議を行う中、相手方と同居することは、精神的にも相当な負担を抱えることとなります。
家庭内で相手方と顔を合わせることによって口論になる等、紛争が激化する場合もあります。

調停が概ね半年から1年はかかることが多いことからも、離婚調停申立て前に別居を検討される方が、精神的負担の軽減、紛争の激化防止にもつながるかと思います。

⑵事前に調停申し立てについて相手方に伝えるべきか

離婚調停申立てにあたって、相手方に事前に伝える必要はありません。
相手方の性格によっては、突然調停を申し立てられたことで憤慨し、かえって協議が難航するケースもあります。
相手方の性格を見て、事前に伝えるか否か判断されることをお勧めいたします。

⑶婚姻費用調停・面会交流調停を同時に申し立てる

離婚協議中、相手方が生活費を支払わなくなることも良くあります。
また、離婚調停は半年以上かかることも多いことから、生活費を確保するためにも、離婚調停と一緒に婚姻費用の調停を申し立てた方がよいです。

また、相手方が子どもを連れて別居を開始する等、突然子どもに面会できなくなるケースも少なくありません。
そのような場合には、離婚調停と併せて面会交流調停も申し立てた方がよいです。

なお、離婚調停と婚姻費用調停・面会交流調停は基本的に同時に調停内で協議することとなります。

⑷主張書面を提出する

1回の調停で自身の主張を伝える時間は限られています。
自身の主張を調停委員・相手方に伝えるためにも、自身の主張については、資料と併せて書面にまとめて提出することが望ましいです。
なお、主張書面の作成は当事者本人でも可能です。
ただし、主張書面は感情を五月雨式に記載すればよいものではありません。
ひとたび提出した書面は、調停不成立後に離婚訴訟の中で証拠として用いられるケースもあります。
そのため、専門家である弁護士に相談し、どのタイミングでどのような主張書面を提出すべきか戦略的に進める方がよいでしょう。

6 まとめ

今回は、離婚調停を申し立ててから離婚成立までどの程度時間がかかるにかかるかについてご紹介いたしました。

離婚調停にかかる時間が概ね6か月から1年ということから、解決までの時間が長い!とお考えになられた方も多いのではないでしょうか。
しかし離婚調停の大半は、双方での協議により離婚の合意が得られなかったケース、すなわち既に紛争下にあることから、解決までどうしても時間がかかることが多いです。

とはいえ、工夫次第で早期解決が可能となる場合もあります。
早期の離婚成立を目指し、効果的な主張を行うには、法的知識が必要となる場面も多々あります。交渉、調停を戦略的に進めることも重要です。

離婚でお悩みの方は是非、数々の離婚問題を解決してきた実績のある弊所に、お気軽にご相談下さい。


執筆者:弁護士 稲生 貴子