日本の離婚率はどのくらい?男女の離婚理由とは?

2023/6/30

 

日本では3組に1組が離婚するとよく耳にします。
3組に1組というと、離婚する割合は高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回、日本における離婚についてその傾向を見ていきたいと思います。

1 日本の離婚率

令和3年の婚姻件数は50万1116組、離婚件数は18万4386件と、婚姻件数、離婚件数ともに前年に比べて減少しました。
人口当たりに換算すると、1000人中4.10人が婚姻し、1.50人が離婚したことになります(令和3年)。
これが「婚姻率」「離婚率」というものです。
日本における離婚率は、平成11年から平成21年頃までは2.0以上(平成20年は1.99)と高く、それ以降は概ね横ばい又は減少傾向にあります。

(1)年齢別の離婚率

年齢別にみると、男性では30歳~34歳が最も離婚率が高く、次いで35歳~39歳が高く、19歳以下が最も離婚率が低くなりました(令和2年)。
女性では、30歳~34歳が最も高く、次いで25歳~29歳の離婚率が高くなりました。
男性女性ともに、年齢別にみても概ね離婚率は減少傾向にありますが、55歳~59歳、60歳~64歳といったいわゆる熟年離婚については、離婚率は横ばい若しくは上昇傾向にあります。

(2)婚姻期間別の離婚率

同居期間が5年未満の夫婦の離婚が前年に比べて減少傾向にあるとはいえ、離婚の中で最も多い結果となっています。
一方同居期間20年以上の離婚については、離婚全体の21.5%と割合としては多くはありませんが、ここ数年増加傾向にあり、55歳以上の離婚率が横ばい・上昇傾向にあることと併せて考えると、いわゆる熟年離婚は微増しているようです。

(3)都道府県別の離婚率

都道府県別にみると、離婚率トップは沖縄の2.2、次いで福岡県、大阪府の1.7となり、最も離婚率が低い県は秋田県でした。

(4)子供の有無の離婚率

子どもの有無によって、離婚率はどのように違うのでしょうか。
令和2年の離婚件数は19万3253件、そのうち子どもがいる夫婦の離婚は11万1335件と全体の57.6%と、子どもがいる夫婦の離婚が過半数を占める結果となりました。

2 世界の離婚率

世界と比較をして日本の離婚率

日本において夫婦のうち3組に1組が離婚と聞くと、離婚率はとても高いように感じます。
しかし世界の離婚率では、ロシア等離婚率が4.0を上回る国もあり、日本における離婚率はそれほど高くないといえます。

3 離婚の原因

令和2年度の司法統計によると、離婚調停の申立理由(離婚原因)は次の通りです。

(1)女性の離婚理由

第1位は性格の不一致、第2位は生活費を渡さない、第3位は精神的な虐待となります。

(2)男性の離婚理由

第1位は性格の不一致、第2位は精神的な虐待、第3位は異性関係となります。

4 まとめ

このように、全体的な離婚率は減少傾向にあり、世界に比べると日本は高い離婚率ではないとは言われますが、とはいえ3組に1組は離婚するというのが現状です。
離婚原因としては、男性、女性ともに性格の不一致が最も多く、一方で離婚訴訟において性格の不一致が法定離婚事由となるには、性格の不一致から夫婦関係が破綻していることを客観的証拠とともに示す必要があり、ハードルは決して低いものではありません。
その他、離婚協議を進めたいけど何から手を付ければいいのか分からないという人も多いかと思います。
離婚を進めたい方も、突然配偶者から離婚を突き付けられどう対応してよいのか分からない方も、まずは弁護士にご相談下さい。

※参考:厚生労働省「令和3年人口動態統計」、統計局「世界の統計2023


執筆者:弁護士 稲生 貴子

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