【コロナ離婚】について
2020/6/4
こんにちは。
弁護士の稲生です。
緊急事態宣言が解除され、長期間の自粛生活がようやく終了を迎えましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近よく耳にする、「コロナ離婚」。
離婚を考えるきっかけは、失業、DV等多々ございますが、最も身近なものとして挙げられるのが「在宅勤務のストレス」です。
では、コロナ離婚を考える(または考えられている)場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
1 在宅勤務によるストレス要因
突然の在宅勤務スタートにより、夫婦が四六時中家で顔を合わす生活を強いられた人も多いのではないでしょうか。横文字にすれば「テレワーク」。
響きはいいですが、実際のストレスは相当なものです(かくいう私も、そのストレスの真っただ中にいました・・・)
① 家事育児を一方のみが負担
② 実際には仕事の時間が取れない
③ 在宅勤務する場所をとりあう
④ 仕事中の配偶者の態度を見てびっくり
(仕事姿がかっこいい、となればいいのですが、横柄な態度や、やる気がなさそう等マイナス面が見えてしまうことも)
⑤ 収入減少によるストレス
⑥ 新型コロナ(COVID-19)感染防止に対する意識の違い
⑦ 長時間一緒に過ごすことで性格の不一致が浮き彫りになる
このようなストレスを感じた人もいるのではないでしょうか。
2 離婚回避に向けて
(1)話し合い
では、夫婦仲の悪化を回避するには、どうすれば良いのでしょうか。
最善方法は、「話し合うこと」です。
驚くほど妻と夫の考えは異なります。妻が家事育児で相当のストレスを感じていたとしても、夫は「いつもイライラしてるな」くらいにしか捉えていない可能性があります。一方、夫が仕事上の大きな不安を抱えており、妻がそれに気づかない可能性もあります。
「何が不満なのか」「どうしてほしいのか」、お互いが思っていることを相手方にぶつけるとともに、相手方の話も聞き、お互い理解を深めるのが一番です。夫婦なんて、もともとは他人です。話をしなくても分かってもらえるといった過度な期待などせず、しっかりと向き合ってみましょう。
(2)ルール作り
緊急事態宣言が解除となったものの、今後も在宅勤務が継続したり、また新型コロナ(COVID-19)第二波の可能性もあります。そのため、家事育児について、夫婦間で分担のルール作りをしてみることもストレス軽減のためおすすめです。
3 夫婦間で解決できない場合
DVを受ける等、話し合いの余地もない状態であれば、別居する等直ちに安全確保を図ってください。
一方で、自粛生活の中でのストレスが原因で離婚を考えている人は、本当に離婚をすすめてよいのか少し冷静にお考え下さい。離婚は人生を大きく左右する問題です。非常事態の追い詰められた状況では、決断を急がず、慎重にご判断いただいたほうがよいかと思います。
自分一人で抱え込まないことも大事です。
今後の離婚のすすめ方や、そもそも離婚すべきか等、弁護士から(法的)アドバイスをさせていただくことも可能です。どうしても離婚をすすめたい方はもちろんのこと、離婚できるかご不安なかた、相手方からの離婚申し出を回避したい方も、お気軽にご相談ください。
執筆者:弁護士 稲生 貴子