事務局便りvol.83(法律事務職の部屋番外編~勝ち組~)
2025/4/28みなさん、こんにちは。事務局のnです。
4月、新年度の始まりですね。朝の出勤時に、真新しいスーツを身にまとった新社会人の姿をよく目にするようになりました。新社会人でなくとも、転勤や転職など、心機一転、新しい生活が始まった方も多いのではないでしょうか。
当事務所も、新年以降、弁護士1名、事務員3名を新たに迎え、フレッシュな顔ぶれで日々仕事に勤しんでいます。今月の『法律事務職の部屋』は、新たなスタートをきったあなたへ向けて、番外編をお届けしたいと思います。
私が欠かさず新作を読む作家が何名かいますが、そのうちの一人が池井戸潤さんです。もう説明は不要なほどの方ですね。先日も、(本は買うより借りる派なので)やっと貸出予約の順番が回ってきた『俺たちの箱根駅伝』を、通勤中に一気読みしてしまいました。
池井戸潤さんの小説は、どれもこれも好きなものばかりです。原作と映像化作品をともに好むことは少ない(「原作のイメージと違う」は、あるあるですね。)のですが、池井戸潤さん原作のものは期待を裏切られることが少ないので、映像化作品もよく拝見します。原作・映像化作品ともにお気に入りのものは、『ノーサイド・ゲーム』『花咲舞が黙ってない』、そして言わずもがなの『半沢直樹』です。
『半沢直樹』シリーズ、みなさんはどの話が一番好きですか。私は断然『ロスジェネの逆襲』です。ドラマでは第2シーズン(令和2年放送)の前半部分として映像化されました。原作を読んだときもこの話を最も気に入りましたので、ドラマ化が決まったときは非常に嬉しかったことを覚えています。ちなみに原作には香川照之さんが演じる大和田常務は登場しません。ドラマなりの脚色が加えられていましたが、原作の名に恥じない最高の映像化作品でした。
このお話のラストにある半沢直樹の言葉が、今のあなたへ贈りたい言葉です。ドラマ内の、セントラル証券社員(半沢直樹にとっては部下)へ向けた台詞です。
「勝ち組」「負け組」という言葉がある。私はこの言葉が大嫌いだ。
(略)
大企業にいるからいい仕事ができるわけじゃない。どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドをもって、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の「勝ち組」と言うんじゃないかと、俺は思う。
私自身はロストジェネレーションど真ん中世代です。大学を卒業する頃は就職氷河期と言われ、内定率の低さが連日ニュースで報道されていました。最初に入社した会社も一年後に破産し、余儀なくされたものも自らの意思でしたものも含めると、転職回数は5回を超えています。
就職氷河期時代、新卒採用人数を極端に減らした大企業とは、これまでもこれからもずっと縁のない人生です。それでも今は、これからもずっと続けたいと思える法律事務の仕事にめぐりあい、同僚にも恵まれて、日々楽しく奮闘しています。
いわゆる世間一般のものさしでは、何度も転職を繰り返した私は負け組に分類されることでしょう。この仕事を始め、ようやく一人前の仕事ができるようになったかなと思えるまでは、どこの誰かも分からない誰かに対し、どこか引け目を感じていたことも否めません。しかし今、日々この仕事にプライドをもち、無我夢中になっている私は、世の中の誰に対しても恥じることなど何一つないと、この台詞に教えてもらいました。
あなたにとって仕事とは、なんでしょうか。まだ新しい仕事を始めたばかりのあなたには、確信をもって答えられる問いではないのかもしれません。私にとって仕事とは、経済的にも、精神的にも、私という存在を支えてくれるものです。そして、これが天職とも思える今の仕事にめぐりあえたことを、幸せだと心の底から思います。
人よりたくさん回り道をした私ですが、一つだけ自信をもって言えることがあります。それは、どの仕事をしていたときも、その時の私ができる全力で、その仕事に向き合ってきたということです。だからこそ今この場所にたどり着けたと、確信をもって言えます。たとえまわり道ばかりしているように感じていても、何事にもその時の全力で向き合ってさえいれば、必ずその経験からあなただけの何かを得られるはずです。
ワークライフバランスが声高に叫ばれ、泥くさくあることが軽視されがちなご時世ですが、まずは仕事も遊びも、今のあなたにできる全力でぶつかっていってほしいと思います。その積み重ねの先に、半沢直樹の言う「勝ち組」のあなたがいることを、私は心から願っています。
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