事務局便りvol.67(空)

2023/11/30

こんにちは。
事務局のMです。
11月ですね。
まったくもって個人的な話ですが、11月は私の甥っ子の誕生月です。
甥っ子といえば、忘れられない出来事がひとつ。

彼がまだ小学生にもなっていなかったころ、北海道へ旅行に連れて行ったことがあります。
彼にとっては生まれて初めての飛行機。男の子はなぜか、乗り物が大好きですよね。
甥っ子も変わらず、初めて見る飛行機にドキドキわくわく。
もともと車でも電車でも、移り行く景色を飽きもせずに眺めている子どもでしたが、生まれて初めての飛行機も例にもれず、窓にぴったり顔を張り付かせるようにして外を見つめていました。

降りてから初めての飛行機はどうだったと尋ねれば、帰ってきた答えは、「雲はお空に張り付いていると思っていた」。
その答えを聞いた瞬間、妹(すなわち彼の母です。)と思わず顔を見合わせたことを覚えています。

まだ背丈が小さかった彼にとっては、空は地面から遠く見上げるもの。
どうやら空は家の天井のように平たいもので、同じように平たい雲がそこにピタッと張り付いて、水平に動いていると思っていたようです。
でも、生まれて初めて間近に見た空はまるっきり違っていた。
今はもう中学生になった彼が、未だにこの発見を覚えているかどうかは分かりませんが、とてもいい発見ができたねと、伯母は嬉しくなりました。

大人になると、下手に蓄積された経験則があるがために、大概の事柄をこんなもんだろうと予測してしまい、理解したつもりになりがちです。
でも本当は、空も雲も平たいものではありません。

空はどこまでも高く広く、雲は形を変えながら自由に浮かんでいる。
そんなこと知っているよと言葉で片付けるのは簡単ですが、その真実をその目で確かめることができるのは、実際に空へ行ってみた人だけです。

本当のことは遠くから眺めているだけでは分からない。
その場へ自らの足を運んで、自分の目で見て、その身をもって経験してみなければ、何事も真に理解したとは言えない。

5歳のピュアな大発見が大人の私に気づかせてくれた真実です。