任意整理のメリットとデメリット

2022/12/20

 この記事では、任意整理のメリット、デメリット、任意整理後の生活への影響、任意整理ができる条件などについて解説します。

 任意整理という言葉は日常では聞き慣れない言葉かもしれませんので、そもそも任意整理とはどういうものなのかというところから解説していきます。

 

1任意整理とは?

 「任意整理」とは、弁護士が消費者金融などの債権者と交渉し、将来発生する利息をカットしつつ、借金を3年から5年程度の長期間の分割で弁済する合意をする手続のことをいいます。

 自己破産手続や個人再生手続とは異なり、裁判所を通さずに行う債務整理の方法になります。

2任意整理のメリットデメリット

 任意整理と自己破産、個人再生との違い、任意整理のメリットとデメリットについてご紹介します。

(1)自己破産、個人再生との違い

 自己破産は、債務を返済することができなくなった債務者が裁判所に破産の申立てをし、免責の許可を受けることで、税金等の一部を除き、債務の支払を免れる手続です。大半の債務の支払を免れることができる一方で、国の機関紙である官報に氏名や住所が掲載されたり、不動産や車などの価値のある財産は手放さなければならなかったり、免責を受けるまで一部の職業に就けなかったりするなど、様々な制約を受ける場合があります。

 個人再生は、債務を返済することができなくなった債務者が裁判所に個人再生の申立てをし、債務を5分の1程度に減額したうえで、債権者に分割払いをする手続です。自己破産とは異なり、職業の制限はないということに加え、自宅不動産を手元に残したまま手続を進めることもできる点で任意整理と似ていますが、裁判所を通すので手続きが複雑で時間がかかります。

(2)任意整理のメリット

 任意整理をすると以下のようなメリットがあります。

 ①弁護士に依頼し、弁護士から債権者に受任の通知を送ると、債務者本人への督促がストップする

 ②自己破産や個人再生に比べて家族や職場に債務整理をしていることがバレにくい

 ③債務者が任意整理する債務を選ぶことができる

 ④不動産や車を処分せずに債務整理ができる

 ⑤将来発生する利息を減額することができる

(3)任意整理のデメリット

 上記のようなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

 ①金融機関のブラックリストに登録され、今後クレジットカードの契約や借り入れの審査が通りにくくなることがある

 ②保証人がいる場合は、保証人が債権者から請求される

 ③債権者と条件面で折り合いがつかず、任意整理できない場合がある

3任意整理後の生活への影響はある?

 次に、任意整理をすることによる日常生活への影響の有無と内容についてご紹介します。

(1)クレジットカード

 任意整理をすると、5年間金融機関のブラックリストに登録されます。

 ブラックリストは金融機関の間で共有されるので、任意整理をした債権者とは異なるクレジットカード会社であっても、審査の結果クレジットカードが作れないことがあります。

(2)住宅ローン

 クレジットカード同様に、ブラックリストに登録されることにより、審査の結果、住宅ローンを組めなくなる可能性があります。

 住宅ローンに限らず、自動車ローンやその他の借り入れもできなくなる可能性があります。

(3)財産

 一方で、自己破産の場合と異なり、債務者が保有している財産を手放す必要がなく、財産に悪影響はありません。

(4)携帯電話(未納の場合)

 携帯電話料金が未納になってしまうと、最悪の場合契約を解除されてしまい、携帯電話会社のブラックリストに登録されます。

 ブラックリストに登録されると、他の携帯電話会社で契約しようと思っても契約できない可能性があるので、日常生活に支障が出かねません。

 したがって、携帯電話料金は滞納しないようにした方が良いでしょう。

(5)家族

 任意整理によってブラックリストに登録されたとしても、本人以外の家族の信用情報に傷がつくということはありません。

 もっとも、家族が保証人になっていない場合は影響はありませんが、保証人になっている場合は家族に請求が行くことになります。

4任意整理ができる条件

 任意整理はどんなケースでもできるというわけではありません。任意整理ができる条件についてご紹介します。

(1)任意整理できる条件

 任意整理は、借金を3年から5年程度の長期間の分割で弁済する合意をする手続なので、合意した期間中継続して弁済ができる安定した収入が必要です。

 また、債権者は、債務者の返済の意思や能力があることを条件としているので、債権者との取引実績が一定期間なければいけません。

(2)任意整理できないケース

 任意整理ができないケースは、上記とは反対に、安定した収入がなく、3年から5年程度の間に返済の見込みがない場合は任意整理ができません。

 また、借り入れをして一度も返済をしていない場合は債務者の返済の意思や能力がないとみなされ、分割払に応じてくれません。

5まとめ

 今回は、任意整理のメリット、デメリット、任意整理後の生活への影響、任意整理ができる条件についてまとめました。

 任意整理をご自身でされても、将来発生する利息の減額や、長期間の分割払には応じてくれないことが多いです。

 また、実現できない計画で任意整理をしてしまうと、計画通りに支払えず、自己破産せざるを得ない状況に追い込まれてしまうリスクもあります。

 したがって、任意整理をご検討されている場合は、まずは弁護士にご相談ください。

 当事務所では、債務に関する相談は無料で行っております。

 お気軽にご相談ください。