Tカード事件についての解説

               

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Tカード事件の何が問題なのか

1 はじめに

 こんにちは。弁護士の小川です。

 つい最近、Tカードの会員情報が裁判所の許可なく捜査機関に提供されていたことが判明し話題になっています。

 

 代表の瀧井から、「これ何があかんの?」と聞かれたので、個人情報の案件を取り扱うことが増えてきた私が瀧井の疑問にお答えします。

 

2 会員情報の提供は法律上許されるか

 メディアでは、さも法律違反のように取り上げられていますが、それは正しいのでしょうか?

 

 Tカードの会員情報のような体系的にまとまっている個人情報は、「個人データ」といわれます(個人情報保護法2条6号)。

 

 そして、「個人データ」は、原則として、個人情報を提供した本人の同意がなければ第三者に提供することができません(個人情報保護法23条1項)。

 

 もっとも、今回のように、警察の捜査に必要であり、捜査をしていることを被疑者に知られると困るような場合には、個人データを提供してもよいこととなっています(同項4号参照)。

 

 そのため、今回の情報提供は、法律上許されており違法でありません。

 

 なお、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(TSUTAYAの運営主体)は、情報の提供についてTカードの利用規約に書いてないことを理由に法律違反であるかのように吹聴するメディアもありますが、それ自体は何らの法律違反にはなりません。

 

3 法律的に問題なければいいのか?

 以上のように、今回のTカードの会員情報の提供は、法律的には問題がありません。

 しかし、法律的に問題がないとしても、それが企業として適切な行動であるかはまた別の問題です。自分の個人情報が勝手に警察に提供されているというのは、非常に気持ちが悪く、そんな企業を利用したいとは思わないでしょう。

 

 今回は捜査の過程でTカードの会員情報が必要であったと判断して、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が警察に情報提供をしたのでしょう。

 

 しかし、会員の名前や住所、借りたDVDの情報等から事件解決につながるというのはなかなか想定できません。どのような必要性があるのかもわからないままで情報提供していることになります。

 

 これが認められると「捜査に必要」という名目で、捜査機関が、皆さんの年齢・職業・趣味嗜好といった様々な情報を収集し、警察に皆さんの情報が集まるという状況になります。

 

 個人情報を取り扱う企業は、細心の注意を払って取り扱い、捜査機関であっても、そう簡単には提供しないという態度で臨むというのが社会から求められる態度かと思います。

 

 特に、本件のように会員情報という犯罪とどのように結びつくのかが明確ではないにもかかわらず、会員情報を提供するのは、個人情報保護が叫ばれる現代では適切でないでしょう。

 

 そこまでの注意を払えなかったという意味で、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の行動は企業として適切ではなかったといえます。

 

 

4 最後に

 「うちの会社はどうなのだろうか」「今回の事件をみて、うちの会社の個人情報の取り扱いを見直したい」等のご不安な点がございましたら、一度、弊所までご相談にいらしてください。

 会社の業種、状況などから予想されるリスクの種類や大きさを一緒に考えていきましょう。その上で、費用対効果の観点から、企業ごとにカスタマイズした個人情報の取り扱い方法をご提案させていただきます。

  

  


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